江戸しぐさは、いつ、どこで、どのような目的で、どのような人々によってどのような組織で、最初に何から手をつけたか。
江戸しぐさという言葉は昭和49年芝三光が命名しました。江戸時代にはありませんでした。江戸時代にはそのルーツがあります。それをお話しします。
いつ
徳川家康が江戸に幕府を築き町づくりを始めたころがルーツです。
講として確立されたのが、1630年位だと思われます。
どこで
江戸御府内の10%の土地の中です。現在の日本橋から神田あたりです。
どのような目的で
町民が仲良く、共に生きていけるまほろば(素晴らしい場所、住みよい場所))の世界を作る ためです。まほろばの世界の為に、文化、道徳などを確立していきました。それが私どものいう「江戸しぐさ」です。
どのような人々によって
江戸町衆(江戸講)によってつくられました。
江戸町衆とは城下町の表道りに店を構えた商店の主のことです。
当時(1630年代)の江戸の人口は30~40万人位、町民は15万人位だったそうです。
そのなかの約2割3万人位が町衆です。町は300町あったそうです。
明暦の大火(1657)後により町づくりが盛んになり700町ぐらいができ、町講が発達しました。吉宗の時代には900町を超え100万人の都市になりました。
どのような組織で
町衆が集まる講です。講を現在の何々会(クラブ)と思ってください。
江戸町講で地域の意見をまとめ、講師が持ち寄り開かれた会議が江戸講です。
江戸講で江戸町の文化、道徳をつくったそうです。
最初に何から手をつけたか
街づくりの中で最初の作業が共通した言葉でした。京都、大阪など地方から多くの商人、職 人が集まって町づくりが始まりました。そこで困ったのが言葉でした。各地の方言は、お互い が理解できないものが多く、みんなが理解しやすい言葉作りを始めなくてはなりませんでし た。共通語が必要になりました。商人中心ですから「気配りのある思いやりの言葉」が生まれてきました。それを「江戸町言葉」と言います。
スローガン《おもき心の内容》
おもいやり「純粋な心でするさま」
もてなし「心を持って成し遂げる」
きくばり「人への心づかい」