男の子はいいました。大人になるのは嬉しいな、つらいかな。どっちなんだろう。
子供のときは、子供だからといわれ一人前には見てくれなかった。だから、早く大人になりたいな。でも、大人になったら、総て自分の責任だと言われ、誰も助けてくれない 。
つらいな。
ず~と子供のほうがいいかな。でも、いずれ大人になるんだ。子供には戻れないよ。
どうしよう。
周りの大人を見て研究しよう。
何かわかるかも。出会った人と会釈をして何か話してる。
「こんにちは」「こんにちは」
「今日は良いお日和で」「本当に気持ちいいですね」。
「それではまた」と言って別れている。
そうだ、小さい頃に言われたな。
挨拶言葉と世辞だ。忘れていた。子供の頃の教えを守れば大人の世界にはいれるかな。
少しずつ思い出すのでした。
そうすると少しずつ周りが見えてきました。
人と会話をする事が大事なんだ。人の話を良く聞こう。そこから、いろんなことを感じとるんだ。そして、行動するんだ。進んで仲間入りして親しくなろう。それから一歩一歩進めばいいんだ。気持ちが少し楽になったよ。
番頭さんがいってたな。石の上にも3年で商人の基本を覚えたら、後の7年は、「あいづち」の鍛錬をしたのだそうだ。大変だけど基礎をしっかりしないと駄目だよね。そういえば諺に、桃栗三年、柿八年、梅は酸いとて十三年というのがあったな。何事も成し遂げるまでには相応の年月が必要だという喩えがあったな。どの世界でもそれなりの年月がかかるのだ。頑張ろう。男の子は、素敵な笑顔で未来を見つめています。
おしまい